VoicePing ASR Model V0.1 | 多言語音声認識(Speech-to-Text)モデル
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VoicePing ASR Model V0.1のご紹介

Kai-Teh Tzeng-VoicePing 2 分で読めます
VoicePing ASR Model V0.1のご紹介

英語・日本語・韓国語・中国語・ベトナム語に対応した多言語音声認識モデル「VoicePing ASR Model V0.1」をご紹介します。

VoicePing ASR Model V0.1のご紹介

本日、VoicePingで最も利用頻度の高い言語である英語・日本語・韓国語・中国語・ベトナム語に対応した多言語音声認識(Speech-to-Text)モデル「VoicePing ASR Model V0.1」を発表します。

VoicePingは、会議、イベント、音声翻訳、文字起こし、要約、検索といった多言語の音声コミュニケーションを軸に構築されています。こうしたワークフローにおいて、ASR(Automatic Speech Recognition: 自動音声認識)は独立した一機能ではありません。プロダクト体験全体の最初のレイヤーです。文字起こしが不安定であれば、その後段のあらゆるステップの有用性が損なわれてしまいます。

VoicePing ASR Model V0.1は、この現実を踏まえて設計されています。当社が最も多く提供している5つのコア言語に焦点を絞り、実際の会話に対してよりクリーンな文字起こしを生成することを目指しています。

1つのモデルで多言語業務に対応

汎用の音声認識は急速に進歩してきましたが、実際の多言語音声には依然として難しい側面が残っています。

  • 日本語・韓国語・中国語には、言語特性を考慮したテキスト処理が必要です。
  • ベトナム語は、正確な声調記号と単語境界に依存します。
  • 長い音声やノイズの多い音声では、部分的な文字起こし、空の出力、テキストの繰り返しが発生することがあります。
  • クラウドモデルは、APIが同一に見えても、言語によって挙動が異なる場合があります。
  • 公開ベンチマークで好成績を収めるシステムが、会議・イベント・音声翻訳に最適であるとは限りません。

VoicePing ASR Model V0.1は、この5言語というプロダクト領域を軸に構築した、当社初の統合モデルです。以下のベンチマークが問うのは、きわめて実践的な問いです。すなわち、ユーザーが実際に必要とする音声をどれだけ正確に文字起こしできるか、ということです。

できること

VoicePing ASR Model V0.1は、次の言語の音声を文字起こしします。

  • 英語
  • 日本語
  • 韓国語
  • 中国語
  • ベトナム語

出力される文字起こしは、翻訳、字幕、議事録、検索可能な会話履歴といった、VoicePingの後続機能を支える基盤となります。

本記事では、ASRSTT(Speech-to-Text: 音声テキスト変換)を同じ意味で使用します。いずれも音声からテキストへの文字起こしを指します。

評価

データセット

評価には、1言語あたり1,000クリップ、合計約41時間の多言語VoicePing音声セットを使用しています。クリップは、VoicePingが実際に扱う種類の音声、つまりクリーンな朗読音声ではなく実際の会話を反映したものです。

言語クリップ数
英語1,000
日本語1,000
ベトナム語1,000
韓国語1,000
中国語1,000
合計5,000

すべてのシステムを同一の音声セットでテストしています。

比較対象モデル

VoicePing ASR Model V0.1を、広く使われているクラウド音声認識システムおよびオープンなASRモデルと比較します。比較対象には、Google Cloud STT、Azure AI Speech、OpenAIの文字起こしモデル、ElevenLabs Scribe v2、Deepgram Nova-3、Qwen3-ASR、SenseVoiceSmallが含まれます。

スコアリング

主要な指標は**単語誤り率(WER: Word Error Rate)**で、値が低いほど優れています。WERは、人手による正解文と比較して、単語の挿入・削除・置換がどれだけ発生したかを測定します。

レイテンシ

本番環境のASRに求められるのは精度だけではありません。各システムが文字起こしを返すまでの所要時間も測定しています。精度が高くても応答が遅いモデルは、ライブの会議やイベントでは体験を損ないかねないためです。

主な結果

以下のグラフは、本ベンチマークにおけるVoicePing ASR Model V0.1と外部の音声認識システムについて、5言語平均の単語誤り率を比較したものです。棒が低いほど優れています。言語別のグラフは結果セクションに掲載しています。

英語・日本語・ベトナム語・韓国語・中国語の平均単語誤り率

言語別の精度

システム英語 WER日本語 WERベトナム語 WER韓国語 WER中国語 WERマクロ平均 WER
VoicePing ASR Model V0.120.2%20.4%15.5%24.5%16.0%19.3%
Google Cloud STT V1 default23.1%23.5%52.1%57.8%44.2%40.1%
Google Cloud STT Chirp 224.5%29.7%14.8%32.8%22.6%24.9%
Google Cloud STT Chirp 322.9%26.4%20.1%37.4%19.2%25.2%
Azure AI Speech23.0%21.1%21.0%37.3%22.5%25.0%
OpenAI GPT-4o Transcribe50.6%52.4%64.3%44.1%29.1%48.1%
OpenAI GPT Realtime Whisper31.8%26.2%20.9%33.0%22.4%26.9%
Qwen3-ASR 0.6B23.8%29.7%26.2%38.2%20.9%27.7%
Qwen3-ASR 1.7B21.9%25.0%22.0%33.1%20.0%24.4%
SenseVoiceSmall28.0%37.4%99.9%45.9%28.1%47.9%
ElevenLabs Scribe v228.6%20.3%15.4%31.5%21.2%23.4%
Deepgram Nova-329.3%28.0%38.4%44.8%29.2%34.0%

リーダーボード

システムマクロ平均 WERレイテンシ中央値備考
VoicePing ASR Model V0.119.3%1.22sVoicePingの多言語ASR
Google Cloud STT V1 default40.1%7.47sクラウド音声認識
Google Cloud STT Chirp 224.9%7.12sクラウド音声認識
Google Cloud STT Chirp 325.2%7.32sクラウド音声認識
Azure AI Speech25.0%7.12sクラウド音声認識
OpenAI GPT-4o Transcribe48.1%1.53sOpenAIの文字起こし
OpenAI GPT Realtime Whisper26.9%7.17sOpenAIの文字起こし
Qwen3-ASR 0.6B27.7%3.56sオープンASRモデル
Qwen3-ASR 1.7B24.4%4.18sオープンASRモデル
SenseVoiceSmall47.9%0.07sオープンASRモデル
ElevenLabs Scribe v223.4%3.07sクラウド音声認識
Deepgram Nova-334.0%1.33sクラウド音声認識

VoicePing ASR Model V0.1は、本ベンチマークで最も低いマクロ平均WERと、1.22秒という最速クラスの応答時間(中央値)を両立しています。今回の測定でこれより速く応答したシステムは、その代償として精度を大きく犠牲にしています。

言語別の結果

英語

VoicePing ASR Model V0.1は、この比較において英語のWERが20.2%と最も低く、Qwen3-ASR 1.7Bや今回テストした主要クラウドシステムを上回りました。

システム別の英語単語誤り率

日本語

日本語は、VoicePingにとって最も重要な言語のひとつです。このデータセットにおいてVoicePing ASR Model V0.1は20.4%のWERを達成し、ElevenLabs Scribe v2(20.3%)と事実上並んで日本語の最良結果となり、Azure AI SpeechやオープンなASRベースラインを上回りました。

システム別の日本語単語誤り率

ベトナム語

ベトナム語は、本ベンチマークで最も僅差となった言語です。Google Cloud STT Chirp 2が14.8%のWERで首位に立ち、ElevenLabs Scribe v2(15.4%)とVoicePing ASR Model V0.1(15.5%)がほぼ同率ですぐ後ろに続いています。

システム別のベトナム語単語誤り率

韓国語

韓国語は、本ベンチマークで最も明確な差が表れた言語のひとつです。VoicePing ASR Model V0.1は24.5%のWERを記録し、次点のシステム群を大きく引き離しました。

システム別の韓国語単語誤り率

中国語

中国語もVoicePing ASR Model V0.1が強みを発揮した言語で、WERは16.0%でした。Google Cloud STT Chirp 3とQwen3-ASR 1.7Bが僅差で続いています。

システム別の中国語単語誤り率

得られた知見

  • VoicePing ASR Model V0.1は、5言語全体で**マクロ平均WER 19.3%**を記録し、本ベンチマークで最も高い総合精度を示しました。
  • 結果は言語ごとに一様ではありません。今回の測定では、英語・韓国語・中国語でVoicePingの優位性が最も明確に表れ、日本語は最良のクラウドシステムと事実上の同率、ベトナム語は1ポイント未満の差で決着する接戦でした。
  • より大規模な汎用システムが、プロダクト固有の多言語音声で必ず勝つとは限りません。
  • とりわけライブの会議やイベントでは、精度と応答時間の両方がユーザー体験にとって重要です。

今後の展望

VoicePing ASR Model V0.1は最初のリリースであり、本ベンチマークはある時点のスナップショットです。データセットはVoicePingが実際に扱う種類の音声から構築されているため、汎用的な公開ベンチマークの代替ではなく、当社プロダクトへの適合度を測るものです。比較対象のクラウドシステムは今後も進化を続けますし、当社のモデルも同様です。また、レイテンシはデプロイ環境に依存するため、速度の数値は絶対的なものではなく目安としてご覧ください。

今後は、この評価が示した方向に沿って取り組みを進めます。具体的には、各言語に残る誤りパターンの削減、よりノイズが多く、より長く、よりドメイン特化した音声によるテストセットの拡充、そして新しい音声認識システムの登場に合わせた比較対象の拡大です。自動スコアはこうした取り組みの指針となりますが、人手による文字起こしレビューも、すべてのリリース判断において欠かさず行っていきます。

まとめ

VoicePing ASR Model V0.1は、英語・日本語・韓国語・中国語・ベトナム語に対応した、当社初の統合的な多言語ASRモデルです。5,000クリップからなる本ベンチマークにおいて、テストしたシステムの中で最も高い総合精度を、最速クラスの応答時間で実現しました。そしてこれは、VoicePingの他のすべての機能が依拠する文字起こしレイヤーでもあります。

重要なのは焦点の転換です。私たちはASRを、単体のモデルデモとしてではなく、実際に使われる多言語コミュニケーションプロダクトの一部として評価しています。

References

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