
UNLEASH Capital Partnersが、インドでの日本人投資家向けイベントにVoicePingのリアルタイムAI翻訳を導入した事例。
VoicePing · Customer Story · UNLEASH2026
日本のベンチャーファンドが投資家をインドに招き、数日間のサミットを開催する場合、その会場には自然と二つの言語が存在します。プログラムはインドで進み、聴衆の多くは日本語話者。UNLEASH Capital Partnersは、UNLEASH Insights 2026でまさにその状況に向き合い、初めてVoicePingのリアルタイムAI翻訳を導入しました。対象となったのは、2日間にわたるパネルディスカッション、プレゼンテーション、Q&Aです。
今回、UNLEASH Capital PartnersのSowmya Arunkumar氏に、VoicePingを選んだ理由、現地での使われ方、うまく機能した点、そして率直に言って今後改善が必要な点について伺いました。彼女のフィードバックは、私たちが今後のロードマップで目指している方向そのものでもあるため、できるだけ率直な言葉のままお届けします。
イベントと言語の壁
— まず、ご自身のこととUNLEASH Insights 2026について教えてください。
Sowmya: 私はUNLEASHで、インパクト投資仮説の構築やレポーティング、投資先管理を担当するコンサルタントとして働いています。2025年12月に入社しました。5月に予定していたイベントの一つで、30〜40名ほどの日本人参加者がインドを訪れることになり、その際にVoicePingに連絡しました。イベントでは、私たちがインドで何をしているのか、どのような投資を行っているのか、投資先企業についてどのように議論しているのかを紹介しました。パネルディスカッション、個別プレゼンテーション、そしてQ&Aを組み合わせた構成でした。
— 言語面では、どのような課題がありましたか?
Sowmya: 参加者の多くは英語でもある程度問題ありませんでしたが、日本語のほうがより安心して理解できます。だからこそ、セッションで何が話されているのかをきちんと追えるようにしたいと考えていました。
VoicePingを選んだ理由
— VoicePingを選んだ決め手は何でしたか?
Sowmya: インドで利用できる多くのツールを調べました。大きな懸念は、パネルディスカッションでは各登壇者の声や表現を正確に拾えず、翻訳が正しく出ないことが多いという点でした。レビューを見ても、そこが主な課題として挙がっていました。ヘッドセットやイヤホンを使う方法もありますが、35〜40名に配るのは私たちには現実的ではありませんでした。そのため、私たちの要件に合うソフトウェアが必要でした。
— 他の選択肢はどうでしたか?
Sowmya: 各社の料金体系が私たちには合いませんでした。1日のイベントには高額でしたし、多くがサブスクリプション型でした。50時間プランや100時間プランのようなものは、単発の利用には意味がありません。これは年に一度のイベントで、必要なのはその時だけで、日常的に使うわけではありませんでした。
— VoicePingをどのように知りましたか?
Sowmya: 紹介です。私たちのManaging PartnerであるNatsuki Sugaiが、日本でVoicePingを使ったことのある友人から話を聞きました。その方は、ここ2年でかなり改善されているので一度見てみるとよい、と言っていました。それをきっかけに、私がチームに連絡しました。
現地での使われ方
— 当日は、メインスクリーンの横にある会場モニターで、2日間にわたり翻訳がライブ表示されました。セットアップにあたって、チームのサポートはいかがでしたか?
Sowmya: はい、チームは最初から最後までサポートしてくれました。ソフトウェアのダウンロードを手伝ってくれましたし、会場のAVチームと一緒に部屋で何度かトライアルも行いました。イベント当日も、Aaronが終日現場にいてサポートしてくれました。

— 料金体系は使いやすかったですか?
Sowmya: はい。最初の打ち合わせで、1日または2日間のイベント向けパッケージについて説明してもらえたのがとても助かりました。その場でデモもしてもらい、私たちにとって機能するという確信を持てました。

当日の結果:うまくいったこと、課題として残ったこと
— 翻訳品質はいかがでしたか?
Sowmya: 英語から日本語への翻訳は問題ありませんでした。ただ、日本語で話した方の内容を英語に翻訳する必要があったセッションがあり、その部分は正直、期待水準には届いていませんでした。私は日本語が分からないので、翻訳された内容に完全に頼っていたのですが、時々、出てくる内容が正しくないと感じました。
— 画面上での表示についてはどうでしたか?
Sowmya: 一度翻訳されたフレーズは、後から何度も書き換わらないほうがよいです。ある文を読んで理解して、次の文に移ろうとした時には、前の行が変わってしまっていることがありました。そうすると意味が分からなくなります。混乱しましたし、追いつくには速すぎました。
— その指摘はもっともです。日本語と英語は語順がほぼ逆で、日本語の文は最後に動詞が来て初めて意味が確定することが多くあります。そのため、早い段階で出した英語訳が文の途中で修正されることがあります。これは私たちも認識している課題で、ちらつきを抑えた新しいモデルを準備しています。また、通話の中では、確定した行をライブテキストの横に固定して表示する分割画面の表示方法も紹介しました。
— 参加者全体の反応はいかがでしたか?
Sowmya: 何もないよりはずっと良かったです。参加者は日本語のほうが安心して聞けますし、翻訳があったことで、何が起きているのかを追う助けになりました。

1日目から2日目にかけて辞書を調整
運用面での補足として、1日目までにイベント固有の用語をすべて辞書に登録できていたわけではありませんでした。そのため、VoicePingチームは2日目に向けて用語を追加し、その結果、該当する用語の認識精度が改善しました。これは、Sowmya氏が求めていた「事前用語集」の重要性を示す実例でもあります。つまり、初回セッションが始まる前に重要語を入れておくことが大切で、後から追いつく形にしないほうがよいということです。

翻訳だけでなく、録画と要約も
ライブ翻訳に加えて、通話ではVoicePingの録画と要約機能についても説明しました。各セッションは自動で録画・要約され、全文の文字起こしはPDF、テキストファイル、音声としてダウンロードできます。通話中、Sowmya氏はワークスペースにログインして6時間のセッション録画を開き、イベント後に同僚へ共有する方法も一緒に確認しました。
コストについて
— コスト面ではいかがでしたか?
Sowmya: 私たちにとっては単発の利用で、年に一度のイベントです。だから、サブスクリプションや50時間、100時間といったプランは合いませんでした。イベント単位のパッケージがちょうど良かったです。
現在のイベント向け料金については、VoicePingのイベント翻訳アプリ料金 をご覧ください。
次に期待すること
— 次回のイベントをより良くするには、何が必要だと思いますか?
Sowmya: いくつかあります。まず、事前に用語集を登録しておくことです。UNLEASHやポートフォリオ企業名のように、頻繁に出てくる言葉で翻訳する必要のないものがあります。そうした単語をあらかじめ辞書に入れておけると助かります。ソフトウェアに詳しくない利用者としては、セッション前に登録すべき単語リストを提示してもらえるとありがたいです。次に、日本語から英語への翻訳はまだ改善できると思います。アクセントや話すスピードの影響もあったかもしれませんが、もっと良くできるはずです。そして三つ目は、一度翻訳されたフレーズを何度も書き換えないことです。
— その三つはいずれも、私たちのロードマップに含まれています。事前の用語設定を案内する仕組み、より強い日本語から英語への翻訳、そして文中での再描画を抑えた安定した表示です。
今後に向けて
— 次回開催に向けた予定はありますか?
Sowmya: 今年については、今のところ他に予定はありません。12月ごろに何か計画が出てくるかもしれませんし、もしまたサミットを開催することになれば、その時に検討します。
— そのため、私たちは今回を更新前提の話ではなく、ウィッシュリストとして受け止めています。新しい翻訳モデルを搭載し、ちらつきを大きく抑えた新バージョンのアプリを準備しており、リリース時にはチームに共有していきます。UNLEASHがまたサミットを開催するなら、次も選んでもらえるだけの価値を示したいと考えています。
主なポイント
- UNLEASH Capital Partners初のLPサミットで初めて導入。2026年5月19日と21日の2日間、会場内モニターにリアルタイムの日英・英日翻訳を表示。
- ヘッドセットやイヤホンの配布は35〜40名規模では現実的ではなく、単発イベントに合わないサブスクリプション型ツールよりも、紹介を通じて知ったVoicePingを選択。
- 率直な結果として、英語から日本語は実用的で「何もないより良かった」一方、日本語から英語には改善余地があり、画面上で文中に書き換わる表示は追いにくかった。
- VoicePingの現地チームが1日目から2日目にかけて用語辞書を調整し、イベント固有用語の認識が改善。
- ライブ翻訳だけでなく、録画、AI要約、文字起こし(PDF、テキスト、音声でダウンロード可能)も提供し、通話中に共有方法を確認。
- 今後の要望は、事前用語集のサポート、日本語から英語への翻訳強化、より安定した表示。いずれもVoicePingのロードマップに含まれています。
会社概要:UNLEASH Capital Partners, Inc.
- 企業概要:インドのアーリーステージ(シード/シリーズA)のフィンテックおよび金融包摂スタートアップに投資する、日本のベンチャーキャピタル・ファンドマネージャー
- 初号ファンド:約30億インドルピー。2025年にクローズし、約35の日本のリミテッド・パートナーが出資
- 創業者兼マネージングパートナー:Natsuki Sugai
- ミッション:“UNLEASH the future of finance. Include everyone.”
- 公式サイト:UNLEASH Capital Partners
VoicePingで、次のイベントにリアルタイム翻訳を
VoicePingは、パネル、プレゼンテーション、Q&Aにリアルタイム翻訳を組み込み、異なる言語のプログラムでも来場者が内容を追えるようにします。
- 会場モニターへの字幕表示:メインスクリーンの横に翻訳をライブ表示し、話者の言語に応じて切り替えます。
- サブスクリプション不要:継続利用プランではなく、1日または複数日のサミットに合わせたイベント単位のパッケージを用意。
- 録画と要約:イベント後の確認に使える文字起こし、AI要約、音声を保存できます。
- 現場サポート:事前設定、AVチームとの会場トライアル、当日のオンサイトサポートまで対応します。
本インタビューは、2026年6月4日にUNLEASH Capital Partners, Inc.のSowmya Arunkumar氏に実施しました。インタビューは英語で行われ、回答は読みやすさと長さの観点から軽く編集しています。


